性別と履歴書
皆様こんばんは、ライフ部門のあいです。
今日は就活についてです。性同一性障害、特に過渡期に就活時期が重なると想像以上にやっかいだったりします。
少なくとも私は結構苦労した記憶がありますので、思い出話を混ぜつつお話させてください。
就活といえば、まず必須の履歴書。私にとってこれは結構なお邪魔虫でした。
そう、性別欄です。
履歴書に限らず、様々な場面で出くわす性別記入欄。その面白体験談はまたの機会として。
履歴書には十中八九ありますよね。
戸籍を変えていない性同一性障害当事者にはお悩みの種です。
《男》とは書きたくないし、かといって《女》と書いて後でなにか問題が起きても困る。
んーそれならば書かなければ良いじゃない!ということで当時私のとった手段は履歴書を自作すること。
既製品の履歴書を真似てExcelでそっくりに作って、性別欄は作らない。最初はドキドキで提出しましたが、意外と突っ込まれないんですね。
学生時代の就活でダメ出しされたことはありませんでした。
いざ面接へ
そんなこんなで、前述のように戸籍欄のない自作履歴書を手当たり次第におくりつけていた、若き頃の私。
ここで、そんなにばらまいてどうするの?
面接に進んで、ダメだったらどうするの?
そんな不安を持つ方も多いかもしれません。たしかに怖いと思う気持ちは当時ありました。でも、やってみなれば何も進まないと思うのです。
たしかに私達はまだまだマイノリティ・・・少数派です。理解されないことも多いでしょう。
ですが、仮に理解されないとしても。それは性同一性障害に対する理解がないが故、です。
誤解を恐れずに言うならば、理解されなかったのは性同一性障害という部分であって、私やあなたの個性ではありません。
ですから、まずは面接までこぎつける。それに一生懸命になっても良いと思うのです。
一般的な面接の攻略法は、それを生業とする方の著書などを読んでいただくとして(笑)そこからは普通の面接です。何も恐れることはありません。
自分を売り込み、頃合いを見て「実は性同一性障害なんです」とカミングアウトしてしまうだけでした。
もちろんその結果(それが直接の原因かは不明ですが)お祈り申し上げられたこともありました。就職活動中のお祈りメールはたしかに辛いものがあります。
けれど、それを性同一性障害のせいに諦めてしまうのは悔しいと思うのです。
当時学生の私が相談していたハローワークの職員さんに言われた言葉があります。
「就職は結婚みたいなもの。あなたをふった男なんか忘れて、本当のあなたは好いてくれた人(会社)と一緒になり(勤め)なさい。」
この言葉、私一生忘れません。そして今就職活動に悩む性同一性障害・・・いえ、就活中の皆様に聞いてほしい言葉です。
面接、どんな服装で行くか。
これも悩まれる方が多いと思います。私は最初は男物のスーツで行きました。
過渡期(男から女への移り変わり時期)は自分がどちらに見えているか自信がなく不安でした。女の格好をして好奇の目で見られるくらいなら、という思いからの選択でした。
面接ではその会社にもよりますが二次面接くらいでカミングアウト、つまり自分が性同一性障害と打ち明けることが多かったです。
一次を通過したなら少しは望みがあるという自己判断です(笑)
あとは、サービス業やアパレル業界に多いですが私服面接の会社を狙って受けたりもしました。
ユニセックスな服装で行き、かつ性別欄のない履歴書でどちらに見られるかワクワクしたみたり(笑)
ちなみに私は、最終的にスーツ勤務の会社に内定をもらい(カミングアウトもして)女物のスーツで内定式に臨みました。
さいごに
私は学生のうちに性別適合手術(男から女の体になる手術ですね)は終わっていましたが、戸籍の変更が間に合わなかったので保険証などはあとから女性になりました。
会社では直属の上司と社長、人事部長だけ性同一性障害であることを知っている状態での新社会人ライフでしたので、完璧に女として務めることになりました。
私はきちんと女として生活するのが初めてだったので、色々と苦労もしましたが今でもあの時カミングアウトして入社してよかったと思っています。
これから就職活動をする方、どうか前向きに諦めずたくさんの会社を見てみてください。