みなさんこんばんは、ライフ部門のあいです。
先週は大桟橋の横浜レインボーフェスタに参加し、大いに楽しんで参りました。
また、足を運んで下さった方の中には私たちのことを知ってくれていた方、初めてお会いして共感してくれた方、様々な人たちの温かい声をいただき本当に嬉しく思いまっています。
今後も頑張って参りますのでよろしくお願いいたします。
トイレが区別されるのは何故か
社会生活の中で、トイレほど男女が区別される場はないと思います。
ではトイレはなぜ区別されるのでしょうか。
1.排泄行為を他者、特に異性に見られることは恥ずかしい
なぜ恥ずかしいのか、を議論すると長くなりますので省略致しますがこれは大抵の方が理解できると思います。
中には『自分は恥ずかしくない』とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうけど、恥ずかしがる人がいるという事実はご存知かと。
2.防犯上の問題
これは主に女性側を守る話になりますが、盗撮や性暴力などの犯罪を防ぐ為ですね。
これは1よりも明確かつ、わかりやすいですね。
3.モラルの問題
こちらも主に女性側の話になりますが、一般的に身だしなみを整えるのに時間を使うのは女性側です。
例えばメイク、ストッキングなどの着替えなどなど。
着替えなどは個室だからまだ良いですがメイクは鏡の前で、要するに周囲の人から見られながらすることになります。
これも一般的になりますが、メイク中の姿を男性に見られることを嫌う女性は多いです。
人によっては男性側も見たくないと思う方もいるでしょう。
要するに排泄行為や身だしなみなど、デリケートな行為を異性に見られたくないというのが、トイレが男女別になる理由と考えられます。
性同一性障害当事者にとってのトイレ
上記のようなことから、トイレが男女別になることは大抵の人が受け入れていらっしゃる…少なくとも理解していると思います。
ですが、理解した上でこれを完全に受け入れられないのが性同一性障害当事者…いえ、性別に違和感を覚える人達の悩みなんです。
同じトイレを使っても良い人、良くない人
では、性同一性障害当事者がどちらのトイレを使うか。これはパス度、つまり容姿がどちらの性別に見えるかがポイントになります。
MtF(心が女性、生まれ持った身体は男性)の場合、容姿が女性に見える段階なら女性用トイレを。まだ男性にしか見えないならば男性用を使います。
FtM(心が男性、生まれ持った身体が女性)ならばその逆です。
これは現実致し方ないことです。性同一性障害だ、ということで見た目が完全に男性(女性)の人が女性トイレ(男性トイレ)を使うことを認めるとします。そうすると例えば、ノンケ(心と身体の性別が一致し、恋愛対象が異性の人)の男性が『私、MtFだから』といって女性トイレに入り盗撮など性犯罪を犯すことも可能になり兼ねないです。
かといって一々用を足すたびに性同一性障害の診断書を見せるわけにもいきません。
上記のような理由から、パス度の低いうちは心の性別とは合わない方のトイレを利用せざるを得ないのです。
職場でのトイレ
さて、ここまで書いたトイレ事情は駅や商業施設などのトイレを想定しています。
では職場ではどうでしょう。ここで気になる記事を見つけましたのでご紹介致します。
心は女性である性同一性障害の職員は、戸籍上の性別が男性である限り、女性トイレを使ってはならない――。経済産業省がこんな原則を示し、使いたければ異動ごとに職場で同障害を公表するよう求めていた。この職員は近く「人格権の侵害で、同障害を理由にした差別だ」として、東京地裁に行政訴訟と国家賠償訴訟を起こす。
中略
経産省は、女性の服装や休憩室の使用は認めたものの、女性トイレの使用は原則として許可しなかった。この職員が情報公開請求して開示された資料によると、女性トイレの使用を認めない理由について、経産省は(1)労働安全衛生法の省令で男女別のトイレ設置が定められている(2)女性職員の了解が不可欠だが、2人から「抵抗感がある」との声があがった――などと説明。戸籍上の性別を女性に変えない限り、障害者トイレを使ってもらい、女性トイレを望む場合は異動ごとに同障害を公表して同僚の理解を得るよう求める原則を確認した、としている。
「女性トイレ禁止は差別」提訴へ 性同一性障害の公務員より引用
引用した記事からわかるように、会社でのトイレ事情は
1.会社の対応
2.同僚の理解
この2つがポイントになってきます。特に後者、同僚の理解については会社からの指示だけでは解決しないので厄介です。
もちろん、会社として全社的に『女性トイレの使用を認める』と言って貰えれば堂々と使うことは出来ます。が、同時にきちんと理由と、場合によっては性同一性障害がどういうものかを理解してもらう場を設ける必要もあるかも知れません。
理解してもらうには
では会社、あるいは同僚に理解してもらうにはどうするか。
これを考えるにはまず“社員は会社に利益をもたらす存在”であることを失念してはいけません。
理解してもらう場を設ける、時間をもらうということはそれだけ会社の利益を削るということ。これは性同一性障害の問題に限らずです。タイムイズマネーです。
つまり、『この社員が働きすい状況を作ることが、社の利益となる』と会社から思わる必要があります。
非情な言い方に聞こえるかも知れませんが、資本主義の中でいきる以上これは揺るぎないと私は思っています。
トイレの話から少々大きな話になりましたが、当事者一人一人が権利の主張と同時に義務を果たすことを心がければ社会の目も確実に変わると、私は考えております。
※これは一般論的な意見であり、今回ご紹介した記事の方が義務を果たしていないといったことを意味するものではございません。