FTMらしさ?
こんにちは!!LGBT-JAPAN 代表 田附 亮です。
今回はFTM間でわりとある出来事についてお話しさせていただきます。
FTM当事者の方に質問です。
FTMらしさって何ですか?
私は、応えられません。なぜなら、女性らしさ・男らしさという、性別に関するらしさは存在しないと思っているからです。
反面、その人らしさというものは存在すると思っております。
女性だからおしとやかに?男性だからたくましく?誰が決めたんでしょう。
その人がその人らしい笑顔で生きて行く事が一番大切だと思っております。
だからといって、大多数の人に迷惑をかけて不幸になる人がでるような生き方はいくらその人らしさがあってもいけない事ですが。
はてさて、質問を戻します。FTMらしさってなんでしょう。誰が決めたんでしょう。
初めてあうFTM同士
初めて会うFTM同士の場合、ときどき交わされる会話にこのようなものがあります。
「どこまでやってる?」
これは、「どこまで治療すすめてる?」という事です。
ここには3つ、私は違和感を感じます。
一つ目、治療をする前提での話しに勝手になっている。
二つ目、進めてないとどうなのか。
三つ目、初めましての会話がそれ?
です。一つ目についてですが、FTMが皆、治療をする選択をするとは限らないという事です。
FTMでも、例えば、親の手前しない。という方や、毛が濃くなるのが嫌だと言ってしない方もいますし、自分は男だと思っているが特段このままで気にしないなど、いろいろな理由で治療を選択しない方もいます。
何よりかにより、初めてお会いした方との会話が、どこまでFTMの治療を進めているかなんて、初めて会った男性に、どこまで男らしさ追求してる?といった質問をするのと同じです。
FTM同士でも、人としての会話力や人間性が重要です。
その人にはその人の考えがあるのですから、会話の内容も気をつけていきたいですね。
二つ目は、そのままです。それを聞いてお互い何になるのか。お互いの時間において有益な会話になるのか考えものです。
中には、治療をしてないといけないんじゃないかと思ってしまう方が出てきたしまう聞き方です。
そう思ってしまった人は、きっと慌てたり不安感も持つでしょう。FTMだからといって治療は自分がしたくなったらすればいいのです。
三つ目は、一つ目の説明にも重なりますが初めてあった人間同士がする会話として客観的に考えると非常に違和感のある質問です。
質問してる方は気になってる事なのかもしれませんが、それは自分のエゴでの物差し会話です。
もうそろそろ、FTMという存在が特別視されない日本に変えていくべき頃合いです。
その為には、今まで色んな人と愉しい会話が出来るように、周りに当事者が一人もいなくても人間として認められるように人間力磨きに力をいれていきたいですね!
私も質問を受けました。
私も昔、このような質問をよく当事者からされてました。
ホルモン治療もしてなかった頃には、すでにホルモン治療や手術を済ましていた始めましてFTMの方に、俺はここまでやってる。とか、俺もこれとこれはやってる・・・
など聞かされ、FTMなら○○○まではやらなきゃ。などなど、「FTNらしさ」を話されて楽しくなかったのを覚えております。
もうお一方がいます。
シンポジウムで会った方なのですが、その彼は有名なFTMの活動家さんをよく調べて知っておりました。その彼が、
『有名なFTMの活動家達にはとうてい敵わない。田附さんはどこまで治療すすめてますか。僕なんてホルモン治療もしてないからまだまだです。』などとおっしゃってました。
違いますよね。ホルモン治療はじめたから立派に胸張ってFTMとして生きていくんですか?
そもそも治療の進め具合で上下つける必要がどこにあるのでしょうか。
治療をしているから立派なんて人間として生きて行く事に対して、物差しにすべきことではありません。
どこまでやってる?の、たった一言でFTMの間で疎外感や焦りが生まれてしまう可能性があります
偏見や差別に敏感で大嫌いなFTM同士が、いつのまにか自分たちで差別や偏見を生み出してしまっている。とても悲しいですね。
人間の数だけ。
人間の数だけ性別や性格が存在します。
FTMの中にも、その人数分性別や性格があります。
FTMらしさってなんですか。男らしさってなんですか。女性らしさってなんですか。
今一度、見つめ直して自分らしさや、相手に対してのアナタらしさもっと見つけていきましょう。