女性ホルモンは魔法の薬?

みなさまこんばんは。ライフ部門のあいです。

 

本日はMtF(男性から女性に変わりたい性同一性障害)なら誰もが一度は憧れる女性ホルモンについてお話したいと思います。

 

みなさんは女性ホルモンについてどんなイメージをお持ちでしょうか。

胸が大きくなる?肌がきれいになる?体毛が薄くなる?こんな効果を想像する方が多いのではないでしょうか。

実際私も何もしていない当時、つまり完璧に男だったころはこういった効果を創造し、期待して、いつかは・・・少しでも早く・・・とホルモン治療を受けることを望んだものでした。

 

しかしこのホルモン剤、決して魔法の薬ではありません。

本来自分の体にないものを摂取するわけですから、様々な変化が生じます。それについて私の体験談を交えつつ良いこと・悪いことを列挙してみましょう。

※ここで書く効果にはすべて個人差があります。あらかじめご了承ください。

 

ホルモン療法に期待できること

一言でいってしまえば体が女性化します。

私が一番最初に感じたのは肌の変化でした。なんとうか、触った感じがしっとりするというかみずみずしくなった気がします。男性、女性それぞれの肌に触れるとたしかに違う。肉付きとか筋肉とか以前に皮膚の感じが違うんですよね。自身の体に起こった最初の変化はまさにそれでした。

ここまではわりとすぐだったように思います。はじめて1ヶ月ほどでしょうか。

次に感じたのはお肉。脂肪がつきます。人によっては太りやすくなったりもするようですが、そういったものではなく、皮膚と筋肉の間に柔らかいなにかがいる!そんな感じの脂肪のつき方です。

男性に抱きつく時と、女性に抱きつく時では如実に感覚が違います。私がバイセクシャルのためより敏感なのかもしれませんが、女性はどんなにカリカリに痩せていても抱きついたときに背中や腕なんかでもフニっとする感じがあります。

それが自分の体に現れるのはかなりの感動でした。

そして同時期くらいに感じるのが、胸への違和感。大きくなったりした感じはないのに胸に痛いようなはっているような違和感を感じるのです。

女性の方は思春期に感じるらしいのですが、胸が膨らむ前兆のようです。乳首が少し大きくなり、触れると非常に痛いです。ただ、これは一過性のものなので心配はいりません。そこは女体化のためと我慢するしかないのです。

そしてそれを経て、ホルモン治療開始4ヶ月くらいのころ胸にわずかなふくらみを感じました。そして同時期、腕やお尻にお肉がついてきます。

男性のお尻を見てみるとわかるのですが、男性の多くはお尻、丸くないんですよね。足の付け根の辺りがえくぼのように凹んでいるのですが、脂肪がつくことでそれがなくなります。

と、ここまで読むといいことだらけですがそう良いことばかりではないのです。

 

女性ホルモンでも変えられないもの

女性ホルモンを摂取したからといって理想の体になれるわけではありません。

まず第一に骨格は変わりません。肩幅、慎重、腰骨、足のサイズetc…これらに悩むMtF当事者は多いと思いますがどんなに女性ホルモンを摂取しても変わりません。

次に体毛。じつはこれも変わりません。生えにくくはなるものの今あるものがなくなるわけではないのです。なのでお髭や体毛がちょっち濃いなぁとお悩みの方は、別途永久脱毛などを考える必要がでてきます。

更に声。これも女性ホルモンによって高くなることはありません。骨格と同じく本当にまったく変わらないのです。逆にFtMの方は男性ホルモンによって低音ボイスを手に入れることができますがこれは人の成長の段階を見るとわかるかと思います。

男の子も女の子も関係なく子供の声は高いですよね。そして男の子は成長に伴い男性ホルモンが出るので声変わりがきますよね。つまり逆は起こりえない。声を高くするにはボイストレーニングか、それ以上となると手術が必要になります。

このようにホルモン治療は万能ではないのです。なので、女性ホルモンがあれば理想の体になれると思っている方はどうかこれらのことを踏まえて治療に臨むかを決めてください。

 

後戻りはできません

女性ホルモンによって起こった変化はホルモンをやめて元に戻ることはほぼありません。

治療をして期間によっても違いますが、たとえば大きくなった胸がしぼむことは難しいのはなんとなく想像できるかと思います。

更に、半年以上の治療をした場合精液が薄くなったりする方が出てきます。要するに生殖能力が著しく衰えるのです。

長期治療をした場合は睾丸があっても子孫を残すことは難しいと考えるべきでしょう。

要するに何が言いたいかと申しますと“一生ホルモン療法をやる気がない方”は安易に手を出してはいけないということです。特に女性として生きていく気のない方にはあまりお勧めできません。

もちろん、生き方は多様なので絶対にだめとは申しませんが男性として生きる上で女性ホルモンをとるという方は十分に考えてから踏み出してください。

また、女性ホルモンには副作用があります。

その最たるは血栓症です。血がどろどろになり、つまってしまう病気ですね。

これを予防するには定期的な検査が必要となります。

また肝機能に影響を与える可能性もありますので、そこも覚悟が必要です。

 

女性として生きるには

最後になりますが、女性として生きるにはホルモンだけでは足りません。

それは別に手術とか戸籍とか以前のお話です。

 

普通に女性に生まれた方も、女性であるべく努力をしているのです。もともと美人の人、もちろんいると思います。けれどみんながみんなそうではありません。立ち振る舞いやお化粧、服装etc…様々な努力をしていらっしゃいます。

 

誤解を招く言い方かもしてませんが、女性の体に生まれた方も努力をしているのに、私たちMtFが努力を怠っては追いつけないと思うのです。

シモーヌ・ド・ボーヴォワールの有名な言葉で「人は女に生まれない。女になるのだ。」というものがあります。

女性になるからには女性らしく生きないといけないとは思いません。ですがホルモンに頼りきってはいけない、私はそう思うのです。