こんばんは。
アパレル部門の、しんぽんです。

LGBT映画の感想と紹介をつらつらと、勝手に綴っていくシリーズ。
今回は『彼は秘密の女ともだち』の時にも軽く触れていた、旧作『ぼくを葬る』について書いていきますね。

bokuwookuru

『ぼくを葬る』のあらすじ

主人公のロマンは、パリで活躍するファッション・フォトグラファー。
そんな彼がある日の撮影中に倒れてしまう。そして、診断したところ、結果は末期がん。
医師が勧めた化学療法を拒否したため、ロマンは余命3ヶ月を宣告される。
そして、愛してはいるものの、折り合いをなかなかつけることが出来ずにいる家族には、診断結果のことは内緒にすることを決め、恋人であるサシャには冷たく別れを告げ、突き放すことにする。
死を1人で受け入れることに決めたロマンだが、唯一心を許している祖母にだけは自分の苦しみを素直に打ち明ける。
そして、刻々と死までの時間が短くなっていく中、ロマンの心にはある想いが芽生え始めるという内容のストーリー。

末期がんを宣告され何を思うか、残りの時間をどう過ごすか

自分の命があとわずかの時間で消えてなくなるとしたら、自分なら何を思い、何をするのかといったことを、観ながら考えさせられた作品でした。
家族とは折り合いが悪い主人公で、なぜか実姉にきつくあたるんだけど、それがどんな思いであたっているのかが最後まで観ててもわからなかった。
自分のストーリーの読み解きが悪いのか。。。
だけど、ゲイである彼を家族の方も受け入れはしつつも、多少もてあましてる雰囲気が漂っているのも確かで。。。
ぎくしゃくはしつつもそれでも家族として絆が繋がっている姿というのは、気持ちで割り切れないものがありつつも血がなせるわざというのか、自分にとってはリアルに感じられる家族の姿を見せられたような気がしたんですよね。
そのあたりについては、とっても共感できたポイントになってたかなと思っています。

そして、この映画はさすがのフランス映画というべきか、全体的にすっごく静かな映画になってます。一言で言うならまさに「静謐」という感じ。
死ぬ運命、命のタイムリミットが差し迫っているということがこんなにも大事にはならないのかと思えるほど、主役を演じたメルヴィル・プポーの演技は穏やかなもの。
作中に泣くシーンや叫ぶシーンはあるものの、全体的に感情が大きく爆発するようなシーンがあったという感じも自分はせずで、感情面はなるべくフラットになるように意識されていたのかなとも思えるような印象でした。

それでも死に向けてどんどんと痩せこけていく感じは、間違いなく体重調整したのだろうと思われ、その辺には役者根性を感じさせられました。
祖母役のジャンヌ・モローはさすがというしかない存在感。おそらく若い頃は奔放とも言われただろう女性の役を演じていて、強い印象を残すところはさすがの大御所の貫録を感じます。
映像の色彩感覚はちょっとクラシカルな鮮やかさとでもいうのか、どこか古めかしさを感じもする色使い。
この辺は感覚的なものだから、うまく言葉で伝えられないけど、この色の感じは自分好みです。
この辺の色彩感覚がツボなので、ついついフランソワ・オゾン監督の作品は気になって観ちゃうんですよね。。。

この映画もとても素敵な作品です。
静かな映画が苦手な人はちょっときついかもしれないけれど(笑)、気になった方はぜひぜひ観てみてくださいね♪