こんばんは。
アパレル部門の、しんぽんです。

LGBT映画の感想を書きつつ、映画作品を紹介していくシリーズ。
前回は公開中の『彼は秘密の女ともだち』を紹介してみましたが、今回は旧作品の中からご紹介していこうかなーと思っています。

今回紹介するのは、2008年のアカデミー賞、最優秀主演男優賞と脚本賞を受賞した作品『ミルク』です。

milk

『ミルク』のあらすじ

オープンリーゲイで、ゲイをはじめとするあらゆるマイノリティーの社会的地位向上のために立ち上がった活動家、ハーヴィー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。

1972年のニューヨーク。金融業界で働いていたミルクは、20歳年下の青年スコット・スミスと出会って、恋に落ちる。
その後、二人は新天地を求めて、サンフランシスコに移り住み、同性愛者が多く住むカストロ地区で小さなカメラ店をオープンする。
その店はミルクの人柄も手伝って、同性愛者やヒッピーたちの社交場のようになっていく。
ミルクは同性愛者をはじめとするマイノリティーが抱えている問題を解決するために積極的に活動を行っていき、市政執行委員選挙にも立候補をすることになる。
政治的な関わり合いを深めていくと同時にミルクの決断は、周囲に波紋を広げていくことにもなるというストーリー。

ちなみに、ハーヴィー・ミルクは、アメリカの政治家で、ゲイの権利活動家。
1972人にサンフランシスコのカストロ地区にカストロカメラというカメラ店をオープンし、同性愛者を快く思わない保守派に対抗して、新しい商工会を結成するなど、コミュニティリーダーとして力を発揮していく。
1973年・1975年の市政執行委員選挙に出馬して落選するも、選挙のたびに支持者を増やし、1977年の市政執行委員選挙で当選を果たす。
しかし、1978年11月27日に前市議により市庁舎内で射殺され、48年の生涯を閉じることになる。

差別意識が強い時代を意識させる力作

監督のガス・ヴァン・サント、脚本のダスティン・ランス・ブラックがゲイであることを公言している製作布陣で作成された作品。
この時期の映画って差別意識の強い時代を描いた作品が多かったように思うんですよね。ダコタ・ファニングが子役の時に主演した『リリィ、はちみつ色の秘密』も黒人差別の根強かった時代の話だし、この作品も同性愛差別の根強かった時代の話。
アメリカはこういう作品で、何かを訴えかけたい時期にあるのかなということを考えさせられたりしました、この映画を観ていた時期。

ただ、個人的にはこのハーヴィー・ミルクという人に、あまり共感が出来ないなーというのも作品を観て感じてしまって、その分感動が自分は薄まったかなと感じる部分もありました。
もちろん、性差別が強かった時代にゲイであることをオープンにして政治活動をしていくというのは、かなりの勇気のいる行動でもあったであろうとは思うし、その重圧だったり偏見の中で活動をするわけだから自分のことは後回しで色々と片付けていかなくてはならない仕事はあるだろうとは思うけれど。
どうも、政治に深く関わり出してからの彼が、恋人関係にあった人との関わり合い、絆の深めあいを疎かにしてるところが、どうしてもこの人を人として好きになれない、そういう気持ちのジレンマをうんでしまってるなというのを強く感じるんですよね。

ただ、人々を束ねていく魅力、スピーチの魅力を持ち合わせていた彼の人柄が、どんどんと同じ思いの人々の背中を後押ししたという事実は市政議員当選を果たしたということもあるし、確実なのでしょう。
時にはユーモアを交えてのスピーチなど、チャーミングな人物として描かれていました。

豪華なキャストが魅せる演技合戦!!

主演のショーン・ペンの演技って時々、他のキャストとのバランスが悪いくらいに、力が入りすぎててしっくりこない演技をする時があるように自分は思うんだけれど、この作品でのショーン・ペンの演技はその存在感も含めて、とても良かったように感じます。最優秀主演男優賞を獲得もしているし、それだけ熱の入った演技が見られる作品となってると思います。

そして、脇を固めるのも豪華キャスト。
主人公の恋人をジェームズ・フランコやディエゴ・ルナが演じ、政治活動のサポートをするメンバーとしてエミール・ハーシュが登場。エミールはこの時先々の期待がもてる俳優だなと思っていたんですけど、大きなブレイクがないままに終わってしまいましたね。。。でも、なりきりの演技が本当にうまい人なので、今後も出演作が公開になったら観に行きたいとは思います。
それと市政議員の一人として、ジョシュ・ブローリン。強迫観念とでもいうのか、どんどん追い詰められていく感じをうまく表現していた気がする。

あまり個人的に感動するシーンが少なかったんだけれど、それでもラストシーンのあの光景にはグッとくるものがありました。
そのシーンはぜひ映画で観てみてくださいね。