こんにちは。
アパレル部門のしんぽんです。

今回の映画レビューは、2008年製作の『ミルク』
ショーン・ペンがオープンリーゲイの活動家、ハーヴィー・ミルクを演じた伝記ドラマです。

1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルクは、20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていく。

『ラストデイズ』などの、より実験的な作品に時間を費やし、本作で久々にメインストリームに帰還した感のあるガス・ヴァン・サント。ゲイである事を公表しながら公職に就いたハーヴィー・ミルクの生涯を、優しく観察し物語を紡いだ作品。特筆すべきは、ショーン・ペンが全編を通して見せる愛嬌のある演技。アカデミー賞のみならず、多数の映画賞を制覇しているペンの熱演は一見の価値あり。これまでゲイ・コミュニティーや社会の前衛的問題に興味のなかった人も、本作でミルクの人物像に触れれば、関心を持つだろう。今なお尊敬されるミルクの愛すべき人柄をフィルムに焼き付けた監督の手腕に感服し、映画化にこぎつけた彼の執念を感じ取りたい。


出典:goo映画

ショーン・ペンの演技って時々、他のキャストとのバランスが悪いくらいに、力が入りすぎててしっくりこない演技をする時があるように自分は思うんだけれど、この作品でのショーン・ペンの演技はその存在感も含めて、めちゃくちゃ良かったように思ったの。

それにしても、このころの映画って差別意識の強い時代を描いた作品が多いように思う。ダコタ・ファニング主演の『リリィ、はちみつ色の秘密』も黒人差別の根強かった時代の話だし、この作品も同性愛差別の根強かった時代の話。
アメリカはこういう作品で今、何かを訴えかけたい時期なのかなーというようにも当時感じたかな。

ただ、個人的にはこのハーヴィー・ミルクという人に、あまり共感が出来ないなというのも作品を観て感じてしまって、その分感動が薄まったかなという感じもしてる。
もちろん、その差別が強かった時代にゲイであることをオープンにして政治活動をしていくというのは、かなりの勇気のいる行動でもあったであろうとは思うし、その重責の中で活動をするわけだから自分のことは後回しで色々と片付けていかなくてはならない仕事はあるだろうとは思うけれど。
どうも、政治に深く関わり出してからの彼が、恋人関係にあった彼との関わり合い、絆の深めあいを疎かにしてるところが、どうしてもこの人を人として好きになれない、そういう気持ちのジレンマを産んでしまってるなというのを強く感じるんですよね。

ただ、人々を束ねていく魅力、スピーチの魅力を持ち合わせていた彼の人柄が、どんどんと同じ思いの人々の背中を後押ししたという事実は市政議員当選を果たしたということもあるし、確実なのでしょう。
時にはユーモアを交えてのスピーチなど、チャーミングな人物として描かれていました。

そして、脇を固めるのも豪華キャスト。
主人公の恋人をジェームズ・フランコやディエゴ・ルナが演じ、政治活動のサポートをするメンバーとしてエミール・ハーシュが登場。エミールは本当に先々の期待がもてる俳優だなと今回観てもつくづく思いました。なりきりの演技が本当にうまい。
それと市政議員の一人として、ジョシュ・ブローリン。強迫観念とでもいうのか、どんどん追い詰められていく感じをうまく表現していた気がする。

あまり個人的に感動するシーンが少なかったんだけれど、それでもラストシーンのあの光景にはグッとくるものがありました。
そのシーンはぜひ映画で観てみてください。