こんばんは。
アパレル部門の、しんぽんです。

今回のLGBT映画レビューは、今年7月に行ってきた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で観てきた韓国映画『夜間飛行』のレビューにしようかなーと。
観終わった後に、やりきれない思いが強く残る作品ではありますけど、胸に残る作品だと思いますよ。

20150720_110349_HDR

『夜間飛行』の作品概要は?

邦題:夜間飛行
英題:Night Flight (原題:야간비행)
監督:イ=ソン・ヒイル
2014|韓国語|134 min|韓国

初めて君の笑顔を見てから
気づくと君をずっと見つめていた

中学では親友同士だったヨンジュ、ギテク、ギウンの3人。しかし高校に進学すると、ギウンはギテクをいじめるグループのボスになり、3人の関係性が歪んでいく。優等生のヨンジュは、問題児となったギウンに戸惑いながらも友情を取り戻そうとするが…。『後悔なんてしない』(第17回上映)のイ=ソン・ヒイル監督が、韓国の厳しい競争社会を背景に10代の若者たちの孤独を描く。2014年ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品作。(From 第24回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭 公式サイトより抜粋)

多感な時代のそれぞれの事情と、同性愛差別の社会が切り取られた作品

7月に観た時の記憶をもとにレビューを書いているので、記憶違いのところがあったら、ごめんなさい。
そして、ネタバレになるようなところも書いてしまうかと思うので、今後日本上映やソフト発売されることがあった場合のことを考えて内容を知りたくない人の場合には、これから先を読まれるのは注意してくださいね。

優等生のヨンジュが主人公で、親友だったはずの3人が高校進学で関係性が歪んでしまったのは何でなのか?それぞれの家庭の事情なども含めて、3人のキャラクターの描き方も丁寧でわかりやすくて、話の序盤からストーリーに引き込まれた作品でした。
もともとの性格・性質の描きわけもその後にちゃんと繋がっているようになっているので、本質の部分の変化がない芯の部分は最後までブレないように感じて、その辺りは流れが出来ていた作品で良かったなと思うんですよね。

ただ、観ていてあまり気持ちのいい作品ではありませんでした。
主人公とともに「NIGHT FLIGHT」って名前のBARがあった廃墟ビルに入り浸っていた少年が、壁への落書きが元で同性愛者であることが公になって、病気扱いで転校を余儀なくされたと思われるシーンであるとか、その落書き事件が引き金となってヨンジュの通う高校でもゲイの学生があぶりだされそうな状態になり、ヨンジュがひどい目に合うシーンがあります。
もちろん、国が違えば文化も違う、映画という作品化されている内容がどこまで現実のエッセンスを取り込んでいるかという疑念もありますが、このクラスにゲイがいるなんて発言を教師がしてみたり、同性愛者が生きにくい環境が韓国にもあるのだなということがとても重く感じられる作品だったんですよね。
自分なんかはありがたいことに首都圏でしか生活をしていないので、ゲイであることを公表しながら生活することもそれほど問題になることはないけれど、地方の保守的な感覚が根強いところではきっとそんな生き方は難しいかもしれないことは想像に難くない現実ですもんね。

ただ、高校時代という多感な時代をこれだけヘビーなテーマを織り込んで、青春映画であり、自分模索な作品として描かれてるところはぜひ見てほしい作品だなと思います。

【LGBT映画レビュー】
LGBT映画レビュー:『シングルマン』
LGBT映画レビュー:『バッド・エデュケーション』
LGBT映画レビュー:『ぼくを葬る』
LGBT映画レビュー:『ミルク』
LGBT映画レビュー:『彼は秘密の女ともだち』
LGBT映画『イート・ウィズ・ミー』