親へのカミングアウト

みなさんこんばんは、ライフ部門のあいです。

以前のブログで恋人へのカミングアウトについてお話させていただきましたが、今回はそれと同等、もしくはそれ以上に勇気がいる親へのカミングアウトについてお話したいと思います。

※カミングアウト…自身が性同一性障害や同性愛である、ということを第三者へ告白すること。

なにせ親という存在は生まれてから今までずっと自分を育ててくれた存在です。

例外もありますが、小さい頃から何だかんだ自分の味方でいてくれた存在が親です。例え好ましく思っていなくても簡単に切れる縁ではないと思います。

更に言えば、共に生きた時間が長ければ長い程情が湧くのが人間という生き物である、とも私は思っています。

そんなことから「もし親に嫌われたら」「もし親から拒絶されたら」という思いがあり、カミングアウトする勇気が持てない方も多いことでしょう。

実際に私も過去に多くの人達にカミングアウトをしてきましたが、親へのカミングアウト程勇気が必要だったことはありません。

どのようにカミングアウトしたか

私の場合はあまり父と良好な関係構築が出来ていなかったので、まず母にカミングアウトをしました。

今でもはっきり覚えていますが、あれは私が大学生の頃。父が出張でいない夜に唐突に「話がある」とリビングで切り出しました。

私はバイセクシャルなのでそれまで彼女がいたこともあり、母としては「あなたは違う(性同一性障害ではない)でしょう」と言われてその日は終わりました。

そこからは必死に性同一性障害とはどんなものかを調べて母に説明し、ダメならばまた違う切り口を調べて説明し、で数ヶ月してようやくジェンダークリニックに同行してもらいました。

ジェンダークリニックの先生から説明を受けてもしばらくは受け止めきれない、といった様子でしたが、ある日を境に母の対応が変わり始めました。

母が心配していたのは

カミングアウトしてジェンダークリニックに行ってからもからも母とは普通に会話をしていたのですが、性同一性障害についての話題はしない、微妙な雰囲気が漂っていました。

ですがそんなある日、母が突然「あなたどんな仕事をしたいの?」という話をふってきました。

まぁ、大学生でしたしそんな話もあるだろうと思って当時の私はやりたい仕事や夢を母に語りました。

そして一通り語った後、母はこう言ったのです。

「あなた、手術して女になったからって本物の女になれるわけじゃないんでしょ。性別適合手術を受けて、今話してくれたような夢を叶えられるの?」

誤解がないように言いますと、母は皮肉や嫌味でこんなことを言ってはいませんでした。真剣に私がいわゆる“普通に幸せ”な人生を送れるかを心配していたのです。

その時私は自分の気持ちを、女として生きたいという気持ちを伝えることだけに一生懸命になって、母が何故こんなにも性同一性障害であることを受け入れないのか、その理由を理解しようとしていなかったのです。

その時私は、性別を変えてもしっかりと社会人としてやってみせる。心配しないで欲しいという思いを語り、その直後から(ちょうどそういう時期だったのもあり)カミングアウトをしながらの就職活動を始めました。

それでいくつかの内定を伝えたとき、母が初めて性同一性障害として女性としての私の人生を応援してくれたように思います。

カミングアウトは一方通行ではない

カミングアウトは、一見相手に理解を求めるために当事者から一方的に発信されるように見えます。

しかしながら、受け手も感情を持つ人間です。こちらのカミングアウトを受け入れるにも色々と思うことがあり、それを無視して押し付けるのではうまくいかないこともあるでしょう。

それは親とて同じこと。

歩み寄るように、お互いの想いを少しずつ打ち明けながらお互いに理解し合う。そんなカミングアウトの仕方もあるのではないかと、私は思っております。

これからカミングアウトを考えている方がいましたら、参考にしていただければと思います。